【中古住宅のリノベーション費用】
実家の近くに中古住宅が売りに出ているんだけど築40年なのね。
木造だから土地の値段だけで、家も植木も庭石もみんなタダで手に入るからお得な感じするから買っちゃおうかな?
でも、築年数からしても改修する必要があるから、そっちの費用が心配だな・・・
それとも購入して建て替えるのも手かな?
確かに直す費用が心配だし、購入してから建て替えしか方法がない・・・なんてなっても大変。
不動産購入を決断する前に改修費用と建て替え費用をおおよそでも把握しておくことは大事です。
テーマ:
中古住宅のリノベーション費用
概要
①はじめに
②建て替えの場合の費用
③中古住宅のリノベーション費用
④比較検討
⑤まとめ
①はじめに
中古住宅で木造は築22年以上経つと資産価値がゼロになり、土地の値段だけで買えるという仕組みになっています。
よく見れは、庭には植木や庭石もあるし、数多く使用されているであろう柱や梁の材料もすべてタダ・・・なんか変な気もします。
もし、その中に欲しいものがたくさんあったとしたら、大変お買い得な買い物となるのですが、
やっぱり設備などのキッチンや浴室、それに壁紙とかは新しいほうがいい・・・などあると思います。
そのあたりを考えてみたいと思います。
②建て替えの場合の費用
まず解体費用が150万円~200万円程度です。
ここから問題。
どのくらいの性能(耐震、断熱など)や仕様(壁材、床材など)の建物を希望するかにより変わり、また建築設計事務所かハウスメーカーかに依頼するかによっても変わります。
一般的に坪単価で概算は計算されますが、木造住宅でおおよそ60万円/坪~90万円/坪程度なのですが、
仮に住宅展示場にあるような結構立派なグレードまではいかないまでも近いあたり・・・で70万円/坪とします。
延べ床面積を80㎡くらいとして・・・
80㎡×0.3025=24.2坪
24.2坪×70万円/坪=1694万円
これに解体費用を加算して
1694+150=1844万円 となります。
あくまで床面積も住宅のグレードも仮定が入っていますが、一つの目安となればと思います。
③中古住宅のリノベーション費用
これを書いているときは、2020年ですが、ここから木造の資産価値がゼロになる22年前だと1998年になります。
ということは、新耐震基準ではありますが、2000年前の建物なので、木造の場合、いわゆるグレーゾーン※ の建物になります。
(※グレーゾーンの話は、リノベーションしやすい中古住宅、しにくい中古住宅を参照ください。)
グレーゾーンの建物の場合、柱や筋交の接合部に金物が設置されていないことが多いので、現行の耐震基準を下回る可能性があるのである程度の耐震補強の費用を見込んでおくごとが必要になります。
また、1981年以前の建物の場合、補強が必須になりますが、グレーゾーンの建物よりも補強量は多く、補強量にも幅があります。
なんだ・・・結局、買ってみるまで、わからんってわけね・・・。
そうならないように手段はあります(汗)。
キッチンや浴室などは単品ものなので、だいたい目途がつきますし、断熱工事も通常は外周部、サッシュの工事を行うのである程度の目途はつきます。
一番わかりにくいのが耐震補強工事の費用です。
そこで、現在まで行ってきた住宅の耐震補強の費用を3例ほどピックアップしてみます。
・昭和51年築 延べ床面積:69.56㎡ 補強工事前:0.3→補強工事後:1.1 設計費+工事費=360万円
(外壁塗装含む)
・昭和38年築 延べ床面積:123.1㎡ 補強工事前:0.2→補強工事後:1.1 設計費+工事費=444万円
・昭和42年築 延べ床面積:83.36㎡ 補強工事前:0.3→補強工事後:1.1 設計費+工事費=340万円
いずれも旧耐震の建物で、家の大きさもバラつきがあり、改修の計画によってもかなり変わってきます。
とはいえ、上記の範囲では、300万円~400万円程度かかるといえます。
グレーゾーンの建物でしたら、より補強量が減るので、費用的な負担が減るといえます。
いずれこのあたりは、もっと過去のデータを精査して、わかりやすい安心できるリノベーションに貢献しようと思います。
ざっくりとですが内訳を以下に示します。正直、直接的に職人さんにお願いした場合や工務店によっても価格差があるので、言いずらいところですが、何かしらデータがないと判断にも困ると思いますので、ご意見いろいろあると思いますが、列記してみます。
一般的な中古住宅の改修費用 (家の大きさや取り入れる性能のレベルにより変わります。
足場 |
30万円程度 |
耐震補強 |
200万円~400万円程度 |
断熱改修 |
200万円程度 |
屋根葺き替え |
80万円程度 |
外壁塗装 |
80万円程度 |
キッチン交換 |
50万円程度 |
浴室交換 |
100万円程度 |
クロス貼り換え |
40万円程度 |
経費(工務店・設計) |
180万円程度 |
合計 |
900万円~1100万円程度 |
ざっとみると上記のようになります。
④比較検討
このようにして見てみると、
◆建て替えのメリット
・すべてが新しい
・コストが最初に見えやすい
・リノベーションよりもコストはかかる
◆リノベーションのメリット
・新築より間取りが広い。(リノベ前の家が広い場合や建て替えにより法律の規制で狭くなる場合)
・新築よりも同程度の性能や仕様にしても、選択の幅があり、コストがかからない
・DIYできる場合は、自分自身で好きな部屋をじっくりとつくることもできる。
◆建て替えのデメリット
・間取りが建て替え前よりも、狭くなることがある。
・コストがリノベーションよりもかかる
・すべて自分の好みの空間にできるとは限らない。
◆リノベーションのデメリット
・予算によっては、既存のものをそのまま使うことも
・解体工事が済むまで最終的なコストが見えにくい。(設計時Jの調査にもよりますが)
・建替えと異なり、規格化されていない面が多く、選択幅が広すぎてめんどくさいことも。
⑤まとめ
こうして見てみると、建替えか、リノベーションかは一概に言えないと言えます。
建て替えのメリットがリノベーションのデメリットになるようなところがあり、裏と表の関係に近いです。
ただ経験として、リノベーション費用が建て替え費用の6割程度を超え始めると建替えを選択する方が多いようです。
先ほどの例だと・・・
1844万円×0.6=1106万
となります。
例として挙げたリノベーションの概算費用でギリギリって感じでしょうか。
この予算を物件を調査したあとにどれだけ算出できるかが、勝負になります。
まずは、調査をきちんとすること、これに尽きると思います。
そして最終的な判断は・・・
結局、コスト的な側面のほかにどんな家に住みたいか?によるのではないかと思います。
自分の場合も、じっくりと自分で試行錯誤しながらもDIYを楽しみたいから中古の住宅を買った・・・そんな感じです。
「これからどんな家に住みたいか?」を改めて考える機会ともいえるのではないでしょうか。