検査済み証がない建物の用途変更

 

 
 
 
 
 

【既存建築物に対する制限の緩和】

既に建っている建物で、法律が変わった場合、新しい法律に合わないところは条件付きで見逃してくれることがあります。
今日はその話。

 

そう、それね。知ってればよかった~!(泣)よくあるもんね。
得する話ならば大歓迎!
 

テーマ:既存建築物に対する制限の緩和

 

概要

①はじめに
②建築基準法第86条の7をあてはめてみる
③まとめ


①はじめに

この話は、建築基準法第86条の7に起因します。
この条文を読み解くと、緩和されるものは、建築基準法第20条(構造耐力)から始まり、第26条(防火壁)、第27条(耐火建築物としなければならない特殊建築物)・・・など数多くあり、個別具体的に事例を当たっていくのが一番、しっくりくると思います。
実務では、まさに個別具体的に検討し、格闘して、苦悩して・・・法律を使っていくのですから。
そこで、ここでは、先に挙げた「検査済証がない家の増築+既存不適格」の事例をもう一度引っ張り出してきて、深堀りしてみたいと思います。

 

②建築基準法第86条の7をあてはめてみる

この事例は、増築しようと思い立った時、防火地域としては、無指定だったはずが準防火地域に指定されていた、さらに検査済証も取得していなかった・・・という話です。この中で、無指定→準防火地域に指定 ここにスポットを当てます。

まず準防火地域に指定されたということで、構造の制限がかかってきます。
木造建築物2階建てならば、まずは以下。

〇建築基準法第62条第2項→外壁、軒裏の延焼のおそれのある部分は防火構造・・・にすべし。

〇建築基準法第63条→屋根を不燃材料or準耐火構造(屋外面を準不燃材)or耐火構造+断熱材+防水材or難燃材料・・・にすべし


〇建築基準法第64条→外壁の開口部で延焼のおそれのある部分は防火設備・・・とすべし

通常、住宅は法律クリアのギリギリで造っていることが多く、電話での相談段階では、法律にない防火性能まであるとは思えないので、上記の屋根、外壁、外壁の開口部(サッシュ、ドアなど)はすべて現在の法律に合わせて工事をやりなおす必要がでてくると考えておきます。

そこで、出てくるのが建築基準法第86条の7です。
この条文がきっとこの窮地を救ってくれるはず・・・。

と淡い期待を抱きながら、条文をみると・・・

緩和される条文として、建築基準法第61条(防火地域内の建築物)、建築基準法第62条第1項(準防火地域の建築物)、67条の3第1項(特定防災街区整備地区)若しくは・・・とあるので、


やった!!! 建築基準法第62条あるじゃん!見逃してくれんだね!


と・・・なりそうですが、あるのは建築基準法第62条第1項であって、第2項ではありません。
ちなみに第62条第1項の緩和条件を令132条の11から読み解くと、木造については、外壁及び軒裏が防火構造のものに限るとあり、やっぱり、軒裏と外壁を防火構造にすることは逃げれないのです。

結局、屋根も外壁もサッシュもすべて準防火地域に相応しいようにしなければならない・・・ということになります。



なんのための条文なのよ?
これじゃ、緩和になってないじゃん!


しかし、建築基準法第1条に、この法律の目的が書いてあるのですが・・・

第1条 この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。


とあり、過去の地震、台風、火災などの積み重ねから法律ができ上がっていることからも、火災のような大きな事故につながりやすい論点は、厳しくならざるを得ないのも仕方ない話です。

平成28年12月に起きた新潟県糸魚川市の大規模火災の記録が総務省消防庁の
平成29年度版 消防白書に見て取れます。
大規模な火災になってしまった原因も防火性能の低い住宅が多くあり、火元から飛んだ火の粉により延焼が拡大してしまったようです。

はじめは、1件の火元が広い範囲に広がる危険を持っている火災。十分に気をつけたいものです。


③まとめ

建てたあとから法律が変わった場合、緩和処置が適用できる可能性もありますが、かなり限定的

・・・ますは、そう考えておけば、よいかと思います。

 

 

 

 
 
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