断熱改修についてのコラムです。

 

 
 
 
 
 

住宅の断熱化と気密化について

省エネ住宅って近頃、話題になっているよね。太陽光発電はかなりあちこちで既に見かけるけど、断熱性能も上げないとどんどんエネルギー使っちゃうから、断熱性能のアップも必要なんでしょ?


 
まっ、そうだね。あと気密化もね。
では、まずは断熱についての話をします。細かい計算もでてくるけど、そんなに複雑でもないから大丈夫。

 

 テーマ

 住宅の断熱化と気密化

 

概要

①はじめに
②省エネルギー基準の概要
③省エネルギー化のメリット
④基本的なこと
⑤自然の恵みを有効に使う。
◆まとめ

 ①はじめに

2015年12月12日にCOP21(パリ協定)が結ばれて、世界共通の長期目標として、
地球の温度上昇を2°より低く抑える
ものとし、努力目標として1.5°を掲げました。
それを受けて日本でも省エネ化の動きが加速し始めています。
エアコンなどの設備も向上していき、建築物の省エネ性能も向上しつつありますが、建築物は現場ごとの
いわゆる一品生産品みたい
な側面があるので、施工精度が要求される高気密高断熱は、まだ完全には根付
いていないように思えます。


たしかに、家をしっかりと気密化して、断熱性能を上げれば、より快適に省エネで生活することが可能です。
しかし、断熱性能をあげるには基本的に家全体をピッチリと毛布でくるむようなものなので、外部に面する壁を全て工事しなければならないことが課題です。大がかりな工事になりがちなので、それに伴い費用対効果が見合うか・・・そのあたりの検討も必要になってきます。

そのような問題もありますが、まずは基本的な断熱化に対する知識をまとめてみました。

※2021年の4月からは、6帖間くらいの増築でも少なくとも設計者が
オーナー様に省エネルギー基準に適合するか否かを書面にて説明する義務が発生するようになります。

②省エネルギー基準の概要

平成11年省エネ基準は、家の外皮(外周部)の断熱性能と夏期の日射遮蔽性能に関する基準でした。
しかし設備での省エネルギーも考慮して、家全体での消費エネルギー減らすべく、
平成25年に省エネルギー基準が改正されました。

省エネルギー基準は、(1)外皮性能と(2)1次エネルギー消費量の二つで判定されます。

  (1)外皮性能

   ・外皮平均熱貫流率UA  :屋根、外壁、窓などから出ていく熱量を外皮全体で平均化した値
                 目安として、UA;0.15~0.87程度(小さい方が性能がよい)
   ・平均日射熱取得率ηA :屋根、外壁、窓などから入る日射量を外皮全体で平均化した値
                       目安として、3.0以下程度(冷房の時の日射の入りを考えて)
    上記2つで、それぞれ日本の地域ごとに基準が定められていて、その地域以ごの値以下であれば適合と判定され、次の1次エネルギー消費量基準の適合判定を行います。

  (2)1次エネルギー消費量
  (暖房、給湯などの設備機器のエネルギー効率、再生エネルギー活用など)

    ・・・エアコン、照明、給湯などのエネルギーと太陽光などによる省エネ化を
       基準となる住宅の基準1次エネルギー消費量とで比較して適合の判定をします。


③省エネルギー化のメリット

では省エネルギー化のメリットって何でしょう?・・・光熱費がかからないこと、
正解です。
ほかにもあるので下記にまとめてみます。

 メリット
(1)冷暖房費の軽減
(2)体感的にここちよい
(3)室内の上下や窓辺の温度差が小さくなる(冬に足元が冷えるのは、室内の温度差がその原因のひとつです。)
(4)部屋と部屋との温度差が小さくなる
(5)結露の防止になる
(6)家全体の空気を制御するので、吹き抜けなどあっても温熱環境には、支障がない
(7)気密性がよいので、快適な温度になるまでに比較的短時間ですむ


こんなところでしょうか?


  じゃ・・・デメリットは?ホントに良いことずくめなのかなぁ。
やっぱりそういうの気になるんだけど。

 では、デメリット・・・個人的見解が、かなり入りますが・・・

   デメリット
(1)今までの日本の開放的な
住まいと異なるので、人によっては生活習慣を変える必要がある。
(2)コストアップの要因になる。
(3)換気が必須なので、ランニングコストのみならずメンテナンスコストもかかる。


東西南北に斜めに位置する日本の国土においては、気候も地域により異なり、人によっても感じ方
   が違うので、なかなかズバリとはいいにくのですが、ざっくりとこんな感じでしょうか。
 

④基本的なこと

 断熱設計にあたり基本的な性能は、三つです。
【断熱性能】 【気密性能】 【防露性能】 の三つです。

【断熱性能】
壁などに入っている断熱材のそのもの性能です。また断熱材がその性能をきちんと発揮できるように
断熱材同士の隙間がなかったり、断熱材の中の空気の流れがないことなども性能を発揮するかどうかの重要な点となります。
また、サッシュなど窓がとりわけ外部との熱の出入り口となりがちなどころです。
サッシュだけでも、二重サッシュにするなどして断熱性能を上げれば、家の省エネ化に大きく貢献します。

・断熱材には、大きく分けて2種類あります。
 →繊維系断熱材とプラスチック系断熱材です。
繊維系断熱材
  ・グラスウール(断熱材といえば、これがよくつかわれていました)
   ・ロックウール
   ・セルロールファイバー
   ・インシュレーションファイバー

ブラスチック系断熱材
  ・ビーズ系ポリスチレンフォーム
  ・押出法ポリスチレンフォーム
  ・硬質ウレタンフォーム
  ・ポリエチレンフォーム
  ・フェノールフォーム

 
【気密性能】
スースーと隙間風などが入らない性能のことです。冬場の隙間風は本当に不快なので、
体感的にご理解いただけるのではないでしょうか。
夏は外の熱を入れないようにして、冬は中の熱を逃がさないようにしなければいけない、
という逆の関係にありますが、隙間風はいずれにせよ入らないようにしないといけません。





【防露性能】
冬場に窓に結露ができることを見ることがあるかと思いますが、壁の構造体の中にできてしまうと、
いつ間にか断熱材にカビが生えて断熱材の性能が低下したり、
ひどい時になると柱までも結露により劣化する場合もあり、要注意な項目です。


⑤自然の恵みを有効に使う、これ大切です。

今の住宅は軒の出が少ない、雨戸のないシンプルな形が主流ですが、
夏の太陽光を防ぐには大きな庇が有効に働いてくれます。
また、現代の住宅は、地震への対策として、壁が多くなっており、風通しをしにく面もありますが、
東西、南北の窓をそれぞれ活用して、風通しをきちんとすることが省エネルギー化につながります。


◆まとめ 


まだまだ書き足りないのですが、ひとまず結論として、建築や改修する時のコストや、
さらに忘れがちなメンテナンスのコストが高気密高断熱の場合は検討することが必要です。
コスト面を考えるならば建築時のコスト、メンテナンスのコストを計算して、建物をあと何年くらい使用するか・・・
そのあたりを検討したうえで判断するのが、よいと思います。

このたびプログラムソフトを導入したので、30坪ほどの昭和50年代にできた木造住宅に部分的に内窓だけをいれた場合と
平成28年基準まで引き上げた場合とで比較してみました。
あくまでソフトの計算上ですが、4万円弱しか変わらない・・・
工事コストと工事の際の精神的な苦痛を思うと、内窓だけでいいかな・・・と思えるような結果です。
ただ中古で購入するような場合は、入居前でしたら精神的な苦痛もないので、十分選択肢としてとりえる話といえます。



 ※この記事は、まだ執筆中なので、これから加筆していきます。よろしくお願いいたします。

 




 

 

 

 
 
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