【旧耐震基準の建物ってやっぱりダメ??】
「私、1980年生まれの家です。いろんな人からもう寿命だっていわれるのです。
ぼろっちいし、間取りも古いし・・・
昭和の車、ダメージジーンズが大事にされているのを見ると、うらやましいです。
やっぱり、もうどうにもならないんでしょうか・・・。」
いよし!いっちょ、そこんとこ、考えてみます!!!
概要
①どうしてダメなのか?
②救える道はある?
③生かせる旧耐震の家、生かしにくい旧耐震の家
●まとめ
①どうしてダメなのか?
木造住宅の場合、まず不動産の価値として築22年経つと価値がゼロになるという考え方があります。
1980年の建築だと、40年以上がすぎたので、不動産屋さん的には、建物の値段はゼロ円。
つまり土地の値段しか評価できないってことになります。
かつ1981年に法改正があって、耐震基準が変わっています。
ゆえ、不動産の価値的にもゼロ、ましてや耐震性能も低いので、壊すのが一番、簡単という話です。
②救える道はある?
確かに耐震補強はなんかとても大変なイメージがあります。
しかし、旧耐震基準の建物の中には、もともとの形がけっこう整形であった場合など性能を上げやすい建物もあります。
間取りも大きく変えるのでしたら、そのときに耐震性能と断熱性能も向上させておくこともできるわけです。
あとは劣化でしょうか・・・。長いこと放置されて劣化が激しいものは、さすがに敬遠したほうがよさそうです。
ですから劣化が少なければ、旧耐震基準の建物の中には、まだまだいけるものもあります。
つまり、土地代だけで建物はゼロ円で購入できることになるので、買う側から見るとチャンスとも言えます。
今ではホームセンターが普及して、建築材料が手に入りやすい時代になりました。
DIYも合わせてリノベーションを行える気持ちがあれば、生かせる可能性は十分あります。
そこで、その建物が生かせるかどうか、その見分け方がカギになるわけです。
③生かせる旧耐震の家、生かしにくい旧耐震の家
活かせる条件として
・雨漏りによる劣化が少ないこと(雨漏りのまま長いこと放置されていないこと)
・地盤に問題がないこと。
・きちんと増改築されていること。
まずはこの三つでしょうか。(独断と偏見ですが・・・)
◆雨漏りによる劣化が少ないこと
雨漏りによる劣化は、とくに注意です。屋根の破損、外壁のひび割れ、バルコニーの手摺と外壁との接合部からの雨漏りなど
雨が内部に侵入すると構造体をどんどん痛めていってしまいます。
また、湿った柱や梁は白蟻による被害をも誘発してしまいます。
雨漏りによる腐朽菌、白蟻による食害、この二つが柱は梁、土台などに被害があると劣化に対する手当がかなりかかるので
雨漏りには要注意です。
◆地盤に問題がないこと
地盤に問題がある場合は、当然ながらとても大きな問題となります。
※ 地盤の良い悪いって、どう見分けるの? の記事も参照ください。
とりわけリノベーションの場合は、建物が建っているので地盤の改良や地盤の補強はとても困難になります。
建物が明白に傾いている場合は、地盤の問題がありそうなのは推定しやすいのですが、
建物の床下において、地盤の一部がくぼんでいる場合はわかりにくにのでとても厄介です。
◆きちんと増改築されていること
増改築自体は悪いものではないのですが、接合部がよくないことが多いです。
以下の写真のように接合がよくないものがあります。
(かならずしもダメなものばかり・・・というわけではありませんが)
●まとめ
こうしてみると、旧耐震の家は、必ずしも全てダメというわけではないことと言えます。
木材の量にしたら1件の家でおおよそ24立米(農林水産省ホームページより)ですから、
これが築年数だけでタダになるという点をうまく利用するということです。
地球環境から考えても、資源のリサイクルにもなります。
ましてや、きちんと手入れされているものでしたら、超ラッキーです!!!
「旧耐震でも、意外といけるかも・・・」
運とのめぐりあわせでもありますが、ぜひ見つけてみましょう。