空き家となった住宅をリノベーションして新たな活用を!
昭和51年に建築された家で旧耐震の木造住宅です。
今まで賃貸住宅として使用していましたが、借主が都合により出ていったため、空き家となっていました。
草津温泉の湯畑から歩いて20分ほどのところにあり、敷地の西側には小川が流れており、せせらぎを聞きながらリモートワークとして活用する空間として需要が見込めそうでした。また南側には白樺の林が広がっており、バーベキューなども楽しめそうでした。そこで、敷地の周辺状況を活かしながら改修プロジェクトを企画しました。
建築データ
築年数:約44年
床面積;91.08㎡
構造:1階木造、2階木造
改修内容:全面改修工事(補強工事含む)
地域;群馬県
設計費+工事金額:1200万円~1600万円程度
現況プラン
1階現状プラン
2階現状プラン
企画のポイント
・現況でも南側の白樺の林の景観を望めるが、よりそれを高めたプランニングにする
・敷地の西側にある小川のせせらぎをうまく取り入れたい
・空き家バンク登録も視野に入れて、最低限の耐震性は確保
・建物全体の断熱性の向上
・キッチン、浴室、洗面化粧台、トイレなどの水まわりはすべて交換
上記のポイントを念頭に改修プランを企画しました。
南の白樺林には視覚的に開放、西側の小川には聴覚的に開放
具体的な空間のイメージが持てるように、白い模型ではなく、実際に使用する材料を考慮に入れて模型を作成して検討してみました。
模型では、南側と西側の壁は説明しやすいように作成されていませんが、
南側は、開放性の高い掃き出し窓を設置します。
南側の庭とデッキを介して連続させることで、おちつける空間を演出しています。
また西側は2階にデッキを設置し、手摺壁を高くして、視覚は遮りながらも、小川のせせらぎは楽しめるように設計しています。
内部の計画です。
視覚的、聴覚的な開放性を考慮しています。2階の東側の床が青いタイルカーペットの部屋ですが、事務室のように使用されるものとして計画してます。
全く別のコンセプトの案
実は上記の案とは別に、もう一案このプロジェクトでは作成しています。
家族が週末の趣味を楽しめるようjな場にすることを意図して設計しています。
その場において、どのような生活像を描くか、自分なりの物語を考えるかで計画が変わってきます。
この案のポイントは以下。
・家族で趣味を楽しめるように、室内に大きな開放的なスペースをつくる。
・耐震性能、断熱性能をともに高め、現行法以上の十分なレベルとする。
・一階の開放的な場は、土間空間として室内でも様々な趣味を展開できるようにしておく。
以上の考えを踏まえて、以下のようにプランを考えたうえで、模型を作成してみました。
1階の土間と吹き抜けの空間は、自転車いじりでも、ボルタリングなどでも対応可能になります。
こちらの案は、あくまで週末に家族で利用というコンセプトで作成したものですが、コンセプトが変わってしまったため、ボツになっています。
しかし、週末に行くもう一つの住まいということで、趣味も楽しめるようなスペースを持ったプランも有意義ではないかと思っているので、設計の機会としては、とてもよい機会となりました。
※企画・設計の内容は変更していますが、改修工事は進めています。(2022年10月時点)