検査済み証がない建物の用途変更

 

 
 
 
 
 

【役所での法律調査について】


昔は結構、ちょっとした増築だと法律的な手続きとか違反とかあまり気にしなかったけど、最近、みんな気にしだしたよね。

 
そのあたり最近では、かなり意識が高まっています。それに資産価値の点からしても、きちんと手続きを踏んで適法にしたほうが、後々、売却するにしても絶対によいので。
木造住宅の場合でも、つくって30年程度で解体してしまう・・・という使い捨ての考え方も変わってきているようです。
今回は法律の調査についてです。法律も自分で勝手に判断するのでなく、事前に行政側と確認しておくことが大切です。
       

テーマ:役所での法律調査について

 

概要

①はじめに
②役所での調査手順
③まとめ


①はじめに

新築のみならず、増築にも法律が絡んできます。このくらいの増築なんて関係ない・・・そう思える場合も多々ありますが、自分で法律を解釈しているだけだと、思わぬ落とし穴にはまってしまうのが、法律の怖いところです。
新築では、法律の調査もせずに購入して、思い描いたような建物が建たなかったり、確認申請は通ったけど、工事着工してから敷地に建物が収まらない!というトラブルが起こったり・・・ホント動くお金が大きいので、怖いことこの上ないです。
増築でも、そもそも増築自体が法律的に無理だった、可能だとしても大掛かりな是正工事が必要など・・・キリがありません


今回は、役所の調査で何を調べてんのか?その内側をご紹介します。

②役所での調査の手順(自分の場合です。人によりそれぞれ・・・です)

まずは、用途地域から調べています。
ここで、防火指定、高度地区、日影規制の情報を集めます。
今頃は、パソコンが設置してあって、自分で調べられる役所もでてきています。
なお、注意点ですが、当該建築物が建つ(すでに建っている)敷地だけでなく、その敷地が異なる用途地域などに近接しているかどうかもチェックしておく必要があります。


なんで?自分の建物が建ってないんだから関係ないじゃん・・・

 

と思えますが、とくに影が伸びる北側は、要注意です。
日影規制を検討しなければならない場合は、日影を生じさせる区域の法律を適用するのでチェックする必要があるのです。
この場合、とくに北側に第一種低層住居専用地域(法律が厳しめなので)がないかどうか要チェック!


条例により様々な規制がかかってきます。初めて計画する地域であるならば慎重にここでどういう条例があるのか聞き出して置き、検討する必要があるならば、あとでヒアリングにいけるように担当部署の場所も聞いておきます。
役所によっては、ここで関連法令、条例、要項の問い合わせ先を書いたチェックリストをいただける役所もあります。ある場合は、ぜひとも入手しておきたいものです。

◆次に道路の種別を調べます。
建築基準法上の道路かどうか、道路が公道か私道か?チェックします。
ヒアリングする部署は道路課とか別の部署になってくるのですが、道路の幅員もチェックします。

また都市計画道路があるかどうかも確認します。
将来、都市計画道路により拡幅され敷地を後退しなければならない場合、都市計画法54条から階数が2以下で木造、鉄骨造、コンクリートブロック造、これに類するものくらいしか認められなくなります。(比較的簡易に壊せるもの、そんなイメージです)

※道路に関係するので追記。
道路の幅員や敷地と道路の境界線については、かならず現地の状況をチェックしておくべきです。
依頼者からいただいた資料の場合、敷地に接する道路が依頼者の所有する私道の場合、私道を入れて「敷地」になっている場合があります。(過去にありました)
現地確認なしで、進めてしまうと当然ながら、実際よりも大きな敷地で計画してしまい、想定した建築が建たない・・・ことになります。


◆事前協議事項の確認
マンションなどに建替える場合、中高層建築にかかる規制やワンルームマンションへの規制も入ってきます。
中高層建築・・・は10mを超えるの建物が該当する場合が多いのですが、3階以上でもひっかかってくる区域もあるので注意です。
そして
・下水道関係の確認
・駐車場、駐輪場の附置義務
・廃棄物保管設置義務
・緑の条例(植栽の話です。個人的にここの部署は安堵感あります)
・バリアフリー条例
・省エネルギー計画
・景観まちづくり条例
・雨水流出の抑制
・埋蔵文化財
 ・場所によっては、細街路拡幅整備
 ・不燃化促進地区などなど

そして
・地区計画
・建築協定
もあれば要チェック!

建築するものが、工場など特殊なものでしたら、さらに細かい法律も関係してきたり、と法律の調査にはかなり神経を使います。

漏れのないよう、勘違いのないよう、日頃からアンテナを延ばし、そのうえで役所調査に出かけて、よくヒアリングすることが必要です。

③まとめ

役所は、しゃべる図書館ともいわれます。
慣れないうちは皆で行こう!・・・というまとめでいかがでしょうか。


なんか、しまり悪いね。

 

 

 

 
 
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