耐震補強・改修・増築・リノベーション・中古住宅・空き家・平屋・用途変更 アパート 一内山建築設計室 一級建築士事務所|東京都 東大和市 立川市 武蔵村山市 日野市 国分寺市 昭島市 国立市 小平市 大田区

 

 
 
 
 
 

八丈島

 

八丈島を訪れて感じた、石と風と建築のちから

八丈島を訪れました。
東京から南へ約300km。海に囲まれたこの島は、想像以上に力強い自然と、静かに時を重ねた建築が共存する場所でした。

石垣に刻まれた、島の工夫

まず印象に残ったのは、丸い石を積み上げた石垣です。
島のあちこちで見られるこの石垣は、火山の噴出物や海岸の石を活かしてつくられています。

八丈島は台風の通り道でもあり、風雨の影響を強く受ける地域です。丸石を積むことで風を受け流し、水はけもよく、崩れにくい構造になっています。自然の形をそのまま活かしながら、環境に合わせてつくる――その姿勢は、現代の建築にも通じる考え方だと感じました。

単なる境界ではなく、「風と向き合う装置」としての石垣。素材の選び方ひとつにも、地域の知恵が込められていました。

「ふるさと村」に見る住まいの原点

写真にもある「ふるさと村」では、昔の民家を見ることができます。
木の板壁、深く伸びた軒、低く安定感のある屋根。どれも島の気候に合わせた形です。

強い雨や横殴りの風から建物を守るため、軒は深く、壁はしっかりと厚みを持たせています。装飾よりも機能を優先しながらも、全体として落ち着いた美しさを感じさせます。

八丈島は江戸時代、流人の島としても知られています。本土の建築技術と島の自然条件が重なり合い、独自の住まいの形が生まれました。歴史と環境が重なって、今の景観が形づくられているのです。

地形がつくる集落のかたち

八丈島は火山によって生まれた島です。起伏のある地形や海からの強い風は、建物の向きや配置にも影響を与えています。

建物は風を避けるように配置され、石垣や植栽が緩衝帯の役割を果たしています。自然と対立するのではなく、受け止めながら共存する考え方が、集落全体のつくりに表れています。

これは、都市部の建築でも忘れてはいけない視点です。敷地の形や周辺環境を丁寧に読み取ることが、結果として長く愛される建物につながると感じました。

旅から学ぶ、建築の基本

八丈島の建築は決して派手ではありません。
しかし、その土地に根ざし、自然と向き合いながら形づくられた建物には、強さと美しさがあります。

素材を活かすこと。
環境に合わせること。
歴史を受け継ぐこと。

建築の基本は、こうした積み重ねの中にあるのだと、あらためて気づかされました。

自然と共にある建築。
八丈島での体験は、これからの設計に活かしていきたい大切な学びとなりました。

 
 
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