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八丈島
八丈島を訪れて感じた、石と風と建築のちから八丈島を訪れました。 石垣に刻まれた、島の工夫まず印象に残ったのは、丸い石を積み上げた石垣です。 八丈島は台風の通り道でもあり、風雨の影響を強く受ける地域です。丸石を積むことで風を受け流し、水はけもよく、崩れにくい構造になっています。自然の形をそのまま活かしながら、環境に合わせてつくる――その姿勢は、現代の建築にも通じる考え方だと感じました。 単なる境界ではなく、「風と向き合う装置」としての石垣。素材の選び方ひとつにも、地域の知恵が込められていました。 「ふるさと村」に見る住まいの原点写真にもある「ふるさと村」では、昔の民家を見ることができます。 強い雨や横殴りの風から建物を守るため、軒は深く、壁はしっかりと厚みを持たせています。装飾よりも機能を優先しながらも、全体として落ち着いた美しさを感じさせます。 八丈島は江戸時代、流人の島としても知られています。本土の建築技術と島の自然条件が重なり合い、独自の住まいの形が生まれました。歴史と環境が重なって、今の景観が形づくられているのです。 地形がつくる集落のかたち八丈島は火山によって生まれた島です。起伏のある地形や海からの強い風は、建物の向きや配置にも影響を与えています。 建物は風を避けるように配置され、石垣や植栽が緩衝帯の役割を果たしています。自然と対立するのではなく、受け止めながら共存する考え方が、集落全体のつくりに表れています。 これは、都市部の建築でも忘れてはいけない視点です。敷地の形や周辺環境を丁寧に読み取ることが、結果として長く愛される建物につながると感じました。 旅から学ぶ、建築の基本八丈島の建築は決して派手ではありません。 素材を活かすこと。 建築の基本は、こうした積み重ねの中にあるのだと、あらためて気づかされました。 自然と共にある建築。 |